カウンセリング原論。生活や人生に苦難が生じ変化が必要なとき、身体のせいでも社会のせいでもない場合には心が問題となる。カウンセラーは不幸を解析し、介入していく。その際、現実を動かすか心を揺らすか二種類の対応方法がある。前者は作戦会議としてのカウンセリングであり、生活の火急の問題を解決する。後者は冒険としてのカウンセリングであり、人生の深層に迫り、未成熟なままの心の再発達が企図される。
詳細な具体例をもとにカウンセリングとは何かという根本的な問題に取り組んでいる優れた本である。カウンセラーの謎解きはとても興味深く、それには心理学的知見だけでなく文学的な素養も絡んでくるのだろう。科学だけでなく文学を重視する著者の心的傾向は、まさにカウンセリングの実践によって育まれたものだと思う。原論なので、これを踏まえたうえで各派の著作を読むと良いだろう。
