東大の特権に対する反発の歴史である。東大にはかつて文官任用試験や判事検事登用試験における特権があったし、国からの助成も手厚かった。それに対して私学や後発の帝大から批判が相次いだ。特権がなくなっても「優秀な大学だから優秀な学生が集まり優秀な人材を輩出する」という神話は根強く、東大卒という経歴がその人の能力や人間性とどう関連するか問われ続けてきた。
この観点から見る大学史は面白い。東大と、それに対抗する私大や帝大などからの批判とそれに対する応答。能力や人間性に関わる議論は面白く、東大という磁場がいかに強力に日本社会に根付いているかがよくわかる。東大も、それに対抗する勢力も、お互いに鍛え合ってきたのだ。今後は海外の大学との競争なども議論されていくだろう。
