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師岡康子『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書)

 ヘイト・スピーチの法規制の提言。日本では、主に朝鮮学校などに対するヘイト・スピーチの事実が存在するにもかかわらず、政府は人種差別問題自体を直視しておらず、ヘイト・スピーチ規制にまで至っていない。だが、ヘイト・スピーチ規制は国際的な常識であり、人種差別撤廃条約が締約国に政策を義務付けている。人権基本法の制定、国や自治体の責務の規定、人種差別禁止法の制定が望ましい。

 日本に人種差別が存在しないというのはもはや言いづらくなっていると思う。それほど外国人に対する差別的取り扱いが顕在化しており、ヘイト・スピーチ規制もそろそろ立法の俎上に上がるころではないだろうか。条約上の義務でもあり、社会的な事件が発生していることもあるので、この点についても真摯な議論が必要であろう。