社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

室谷明津子『ルポ 支援という生き方』(ちくま新書)

 本書は、生活困窮者の支援団体である「つくろい東京ファンド」の5人の活躍についてのルポルタージュである。同団体は、家を失った人に住まいを提供する「ハウジングファースト」の理念に従い、路上生活者の支援に携わっている。路上生活者は何らかの身体的・精神的な病を抱えていることが多く、支援には忍耐を要する。だが、彼らは自己責任論とは一線を画し、困っている人がいれば無条件で助けるという姿勢で一貫している。

 本書はとても楽しく読めた。福祉の仕事はとても大変なことが伝わってくるし、行政の限界のようなものも見えてくる。行政では救えなかった人たちを救うのがこのような市民団体なのかもしれない。いわば福祉の最後の砦であり、家族など頼れる人がいない生活困窮者の最後のよすがとなるものである。とにかく団体の方々はみな尊敬できる素晴らしい人ばかりだ。