民主主義の後退と権威主義化という現代世界の潮流について、具体例をもとに分析している。アメリカのトランプ政権のように、欧米の民主主義国では、反移民や反エリート支配、反国際機関、反リベラルといった有権者感情に訴えるポピュリズムが広がっている。また、中国やロシアなどの非民主的な国では、言論統制や独裁化、選挙の不正操作、野党の弾圧など権威主義化がさらに進んでいる。
本書は、民主主義が掲げる人権尊重の理念が、現代世界においてどんどん後退していることが危機感を持って語られている。資本主義は格差を拡大するため、民主主義と相性が悪いが、かといって権威主義による寡頭独占、人権蹂躙を黙って見ているわけにもいかない。近代社会が獲得した人間の自由と尊厳を守るため、民主主義の不備を矯正しつつも維持しなければならないだろう。
