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 請負契約については、仕事の目的物に瑕疵があれば瑕疵修補を請求できる(民634条1項)。だが、売買にはこのような規定はない。これは、請負の場合は、請負人は仕事をする能力があるのだから瑕疵を修補することができることが多いという事実に基づいているのだろう。それに対して、コンビニでペンを買ってペンに瑕疵があったからといってコンビニの店員に直してくれとは言えない。売買の場合には、売主に瑕疵修補の能力がないことがほとんどだからだ。そう考えると、たとえ売買契約であっても、売主に瑕疵修補能力があるのなら、買主に瑕疵修補請求権を認めてもおかしくないはず。例えば時計の修理も行う時計屋さんから時計を買って、その時計に瑕疵があった場合は、買主に瑕疵修補請求権を認めても差し支えないはず。

 ところで、美容室で髪を切ってもらって、気に入らなかったら無料で直します、というサービスは瑕疵修補の問題のような気がする。