社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

濱口桂一郎『家政婦の歴史』(文春新書)

家政婦の歴史 (文春新書) 作者:濱口 桂一郎 文藝春秋 Amazon 家政婦についての労働法上の位置づけの歴史的変遷について書いた本。家政婦の前の時代には女中がいた。女中とは家の一員として家父長の支配下にあり、起きてから寝るまで主人の命令に従って無限定…

改善している

子どもが生まれてから、0歳、1歳のときはとにかく大変だった。核家族で育児をするのは本当にたいへんなので、各種サービスや給付金の制度を整えていただきたいと強く願っている。だが、2歳になるとたいへんさもだいぶ改善されたように思う。なぜかという…

子育て世代の苦心の休み方

小さな子供を育てていると、休日でもあまり休めないし、年休をとるのも子どものイベントだったり、妻が体調が悪くなったため自分が代わりに子守をするためだったり、溜まった買い物の処理だったりする。とにかく心底休んだ気がしない!!おまけに生計のため…

郭四志『産業革命史』(ちくま新書)

産業革命史 ――イノベーションに見る国際秩序の変遷 (ちくま新書) 作者:郭 四志 筑摩書房 Amazon 産業革命の歴史について詳述した本。第一次産業革命は、イギリスで起きた動力・エネルギー革命を中心として、蒸気機関の発明をもとに工場制機械工業が始まった…

L.ハンケ『アリストテレスとアメリカ・インディアン』(岩波新書)

アリストテレスとアメリカ・インディアン (岩波新書 青版 D 63) 作者:ルイス ハンケ 岩波書店 Amazon スペインのアメリカ大陸先住民への過酷な扱いを糾弾したラス・カサスの思想と生涯を描いた本。スペインの先住民支配には思想的根拠があった。それは、アリ…

笹尾俊明『循環経済入門』(岩波新書)

循環経済入門 廃棄物から考える新しい経済 (岩波新書 新赤版 1987) 作者:笹尾 俊明 岩波書店 Amazon 循環型社会から循環経済への移行を唱える書。日本の循環型社会とEUの循環経済(サーキュラーエコノミー)では、ともに天然資源の効率的な利用や廃棄物・環…

シドニー・W・ミンツ『甘さと権力』(ちくま学芸文庫)

甘さと権力 ――砂糖が語る近代史 (ちくま学芸文庫) 作者:シドニー・W・ミンツ 筑摩書房 Amazon 砂糖の生産と消費をめぐる世界システムに着目した本。17・18世紀の世界システムの作用によって、砂糖は生産し消費されたが、そこには奴隷制度やプランテーシ…

不祥事について

不祥事が起きると、不祥事を起こした当人が制裁を受けるだけでなく、その当人の所属する組織などのイメージが悪化する。不祥事が起きた場合、それが組織に所属する者の行いであるならば、組織は謝罪や懲戒などの対応に追われ、通常業務に大きな支障をきたす…

姫野桂『ルポ 高学歴発達障害』(ちくま新書)

ルポ 高学歴発達障害 (ちくま新書) 作者:姫野桂 筑摩書房 Amazon 高学歴だけれど仕事ができない人たちのルポルタージュ。発達障害を抱えながらも、学業では優秀な成績を修め、良い大学に入るが、いざ就職してみると事務仕事ができない、そういう人たちが多数…

松本勝男『日本型開発協力』(ちくま新書)

日本型開発協力 ――途上国支援はなぜ必要なのか (ちくま新書) 作者:松本勝男 筑摩書房 Amazon 日本による途上国への開発協力について詳細に論じた本。日本の開発協力は、自由主義や民主化などの価値の普及を目指す欧米や自国の経済的利益を求める新興国の開発…

仕事と家庭

仕事と家庭を両立するのはいつの時代でも働く人々にとって難問である。特に、私は子どもが生まれてからそれを痛感している。子どもは現在2歳4カ月。今までとても手がかかったし、これからもまだまだ手がかかるだろう。問題はこの子供の面倒をだれが見るか…

吉見俊哉『大学は何処へ』(岩波新書)

大学は何処へ 未来への設計 (岩波新書) 作者:吉見 俊哉 岩波書店 Amazon 現代日本の大学の失敗を、日本の大学の歴史にさかのぼって検証した重厚な本。戦争末期から占領期にかけて大学を再定義する際、理工系の圧倒的優位、初中教育から高等教育までの単線性…