2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧
公務員という仕事 (ちくまプリマー新書) 作者:村木 厚子 筑摩書房 Amazon 厚生労働事務次官を務めた著者による公務員入門。公務員は人の役に立つ仕事をするが、利益を生まず、収支が合わない事業でも社会に必要であれば行うところが民間企業とは違う。また、…
なぜ人と人は支え合うのか (ちくまプリマー新書) 作者:渡辺 一史 筑摩書房 Amazon 障害者についての認識を改める本。障害者というと、健常者の対義語のように用いられ、哀れで無力な存在のように思われがちである。だが、様々なケアを必要とする意味で、我々…
組織で働いているといろんなことが気になるものだ。基本的に淡々と仕事をこなしていればいいのではあるが、例えば人間関係であったり、人事であったり、組織で働く人ならではの気になることがいろいろある。場合によってはある人に悪口を言われ続けてストレ…
資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか (ちくま新書) 作者:ナンシー・フレイザー,江口泰子 筑摩書房 Amazon 資本主義の本質に根差す社会制度としての欠陥を暴き出し、資本主義の棄却と新たな社会主義の構想を示す本。資本主義は、被差別人種から土地・資源…
「人それぞれ」がさみしい ――「やさしく・冷たい」人間関係を考える (ちくまプリマー新書) 作者:石田 光規 筑摩書房 Amazon 個人を尊重する「人それぞれ」の考え方の功罪について書いている本。現代において個性が尊重され多様性が受け入れられている結果、…
会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~ (光文社新書) 作者:三木 那由他 光文社 Amazon 言語哲学の観点から会話を分析している。会話という行為は、コミュニケーションとマニピュレーションを含む営みである。コミュニケーションとは発言…
Eテレの幼児番組にピタゴラスイッチというものがある。そこに出てくるキャラクターにねずみのスーというものがいる。このスーというねずみは働き者でみんなの役に立つのだが、定期的に熱を出して休んでしまう。このようなタイプの人は結構いないだろうか。 …
石の夢 (宇佐見英治自選随筆集) 作者:宇佐見 英治 筑摩書房 Amazon 宇佐見英治の詩人としての面目躍如たるエッセイ集である。石に対するみずみずしい感性、「石を食べたい」と感じるような飛躍した感性、そこに宇佐見が全き「外部」と接触しまさに「創造」を…
「自傷的自己愛」の精神分析 (角川新書) 作者:斎藤 環 KADOKAWA Amazon 自分のことを言葉で罵倒する癖のある人が相当数いる。そういう人たちがどのような精神構造でそのような行為を行っているかについて分析している。そういう人たちは「自傷的自己愛」を抱…
結構前から断捨離がはやっている。本当に大事なものだけ残してあとは捨てていきましょうという考えである。これはモノだけでなくて、自分の考え方についても当てはまるのではないか。要するに、必要最低限のこだわりだけ残して、余計なこだわりは捨てていこ…
移民をどう考えるか: グローバルに学ぶ入門書 作者:カリド・コーザー 勁草書房 Amazon 移民についてコンパクトにエッセンスをまとめて論じている本。移民に関する定義と概念を明らかにし、最新のエビデンスに基づき移民に関する諸問題に取り組むべきである。…
市民的抵抗:非暴力が社会を変える 作者:エリカ・チェノウェス 白水社 Amazon 市民的抵抗とは、非暴力的な抵抗であるが、大きな政治的譲歩を勝ち取るうえで武装闘争よりも有効である。市民的抵抗とは、デモであったりボイコットであったりストライキであった…
創造性はどこからやってくるか ――天然表現の世界 (ちくま新書) 作者:郡司ペギオ幸夫 筑摩書房 Amazon 独特な芸術創作論。一人一人が状況の中にあえて二項対立的なものを見出し、肯定的・否定的矛盾の共立を構想するとき、そこには外部が召喚され、全き外部と…
今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる (講談社現代新書100) 作者:畑中章宏 講談社 Amazon 特異な歴史学の境位を開いた宮本常一についての紹介。宮本は時代的にも早いうちからフィールドワークの重要性に気付いていた。民俗学の系譜にありながら、…