社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

保管

保管って何だろう。所有権の内容は使用・収益・処分だから、保管は所有権の内容ではない。「保管権」というのが特にあるわけでもなく、「俺の保管を邪魔するな」という妨害排除請求はとても奇妙だ。だからといって、「保管義務」という自己に対する義務があ…

進捗状況

基本書読みは、まだ行政法と刑訴が残っています。まずいなあ、百選も読まなければいけないのに。百選を読み終えないうちに試験が来てしまう気がする。一年も猶予をもらったのになあ。まあでもこれまでの勉強で実力はだいぶついたと思う。やっぱり基本書を読…

論理も正義の一つにすぎない

判例は、12歳の少年に責任能力を認めず(大判大6・4・30)、11歳の少年に責任能力を認めている(大判大4・5・12)らしい。責任能力が年齢とともに備わっていくものだとする通常の理解からすると、これは矛盾している。12歳に責任能力がないの…

条文って何だろう

すべて国民は、法の下に平等である(憲法14条)。だから、国家は同じ国民は同じく扱わなければいけない。だが、「同じ」である、すなわち同一であるといっても、様々な程度がある。損害賠償債権も代金債権も、債権であるという意味では同一である。だが、…

最近思うのは、「なんであの実力のある人が落ちたんだろう」と言われるくらい実力をつければ、別に一度くらい落ちてもかまわない、ということだ。私はそとづらは求めない。ただ中身を充実させること。

放棄できない権利

権利というものは、誰でもいつでも自由に放棄できるかのようにも思える。自分で自分の利益を放棄するのは自由だ、というわけである。ところが、放棄できない権利というものもある。 人権の不可譲性の議論の中で、権利を保持・行使することが同時に義務にもな…

悪について

悪をなくすにはどうしたらいいか。悪というものとどう対処したらいいか。そんなことをよく考える。だがそういった思考の前提として、そもそも悪とは何であり、どこからどこまで悪なのか、という問題がある。たとえば眠っている人の顔にいたずら書きをするの…

まじめすぎる

自分はどうもまじめすぎる気がする。だから疲れるんじゃないだろうか。これまでの人生で楽しい思いをしたことというのがあまりない。まじめなことは大事なことだが、まじめじゃないモードとの切り替えも大事だと思う。休みの日でも、あれこれまじめなことを…

楽しかった

今日は楽しかった。勉強を休んで温泉に入り、何人かの友達と電話で喋り、ちょっとした買い物をして。一日の終わりに「今日は楽しかった」と言えるのはまれである。毎日が楽しければいいのに。

半分

もう半分が過ぎてしまった。予定では基本書・択一はこの時期に終わるはずだったが、予定通りには行かず。だが、本を読めば確かに知識や実力は付いていく。だが実力があるからといって必ずしも試験に受かるとは限らない。この不安はやっぱり除けないものだ。…

自己に対する権利

権利とは基本的に他人に対するものである。自己の利益のために他人に作為・不作為義務を課すのが他人に対する権利だと思う。たとえば身体の自由は他人が自己の身体を拘束しないように不作為義務を課すものであろうし、代金債権は他人に代金を払うように作為…

余白

憲法の統治についての基本書を読み終えた。知識的には得るものは少なかった。こういう節目の時、結局自分は何を学んだのだろう、と思う。確かに択一できかれる知識がより正確にはなった。だがそういうことではなくて、全体として何がわかったのか、それがよ…

2年

このブログも書き始めてから二年がたつ。もともとブログを書いていたのだが(http://albatros2.blog27.fc2.com/)、それは芸術関連のブログで、法律の話をするのになじまなかった。つまり、そのブログの読者は法律を知らないし、私も自分の人格の二重性に応…

研究室訪問

今日は大学院で論文を指導して下さった先生のところに遊びに行ってきました。以下、今日学んだこと。 ・刑法の在り方は、論理必然的に導かれるものではなく、社会的・歴史的な様々な要因によって偶然的に形成されている。その偶然性を指摘することで、現在の…

地方自治体

会社、地方自治体、国家という三つの集団を比べてみると、地方自治体を特徴づけているのはその地理性(空間性・物理性)だと思う。地方自治体は成り立ちにおいて会社と区別され、その機能において国家と区別される。 会社は特定の目的の実現のために人々や資…

不確定な将来のための対策

将来は何が起こるか分からない。だが、何らかの不利益な状態になってしまってからその対策をしたのでは遅いことがある。その場合、将来の不確定性が現在に影響を与える。つまり、何が起きてもいいように今のうちに対策しておこうという発想である。 将来の不…

資源

国を動かすには、人とモノとカネと情報が必要だ。国家がそれらを調達する際、国民の意思に基づかずに権力的に調達することがある。人については、選挙や試験によって調達され、これは立候補や志願による国民の意思に国が応えるという形であり、権力性は弱い…