社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

雑感

この試験との戦いは、自分の苦手分野を克服する戦いだったと肯定的にとらえたい。まず、暗記型の頭の使い方になれる、ということ。思考に偏らず、記憶の定着を重視することは、これからの人生においてもきっと役に立つはず。そして、目的を達成するための情…

私はまだ本格的に社会に出たことが無いので世間知らずである。だが、自称社会人から「お前は世間知らずだ」みたいなことを優越感交じりに言われることが何度かあり屈辱だったので、少しそれに反論して見る。社会人になっていないからこそ見えてくることはた…

不適応

私が受験を批判していたのは、結局私の適応力の無さに由来するのだと気付いた。受験に上手に適応できていれば、何も受験のあらさがしをする必要はない。どうも私は受験にうまく適応できなかった。なぜだろう。そういう問いにおいて、受験のデメリットや私自…

受験哲学

受験生によって受験に対する考え方は様々である。(1)受験とは何であるか・自分の人生の夢をかなえるためのステップ、のように、目的連鎖の一部ととらえる考え方。 ・実務でも学問でもない一つの正義の体系、のように、隣接する領域との差異においてとらえ…

法律家

法律を勉強するようになって、自分の性向はある程度変わったと思う。(1)意思をしっかり主張するようになった 私法体系は、意思表示を基礎としている。意思を表示しないと自分が欲するような法的効果が発生しないわけで、自己実現にはまず意思表示が必要と…

復讐

私が法律を生業とするのは、法律を用いて、過去に私に対して向けられた不正・不法に対して復讐するためだけなのではないだろうか。私は迫害体験があり、それで一度精神を患っている。つまり、傷害罪の被害者なのだ。結局、法を自らの武器にすることで、自ら…

twitter

twitterって、多分もうとっくにどっかの誰かが言ってると思うけど、現代社会を象徴してるよね。あふれかえる情報、高速で更新され、一つのものにゆっくりと時間をかけて取り組むことができない。twitterをやってる人に要求されるのは、そのあふれかえる情報…

暴力

以下のような文章をある場所に載せようとした。 ■暴力というものを考えています。何かを破壊するということを総じて暴力と呼ぶならば、人間のあらゆる営為は暴力になりうるかもしれません。物事を言葉で把握すること自体、その物事の無二性を破壊し反復可能…

合法でも違法でもなく

事実が法律要件に該当すれば法律効果が発生する。だが、「事実が法律要件に該当する」かどうか不明確な場合もあるはずだ。それは、(1)法律要件の解釈の不明確性、(2)事実を証明する証拠の証拠力の弱さ、に由来するだろう。(1)例えば、使用窃盗は窃…

悪について

法律学のおける悪と、道徳における悪では異なると思われる。また、倫理学における悪とも異なる。法律学における悪とは、恐らく実定法規の命じる規範に違反することだ。倫理学における悪とは、それぞれの倫理的な立場における基準に比較して決定される。例え…

憎しみ

学問を愛しているうちはまだ半人前なのだと思う。学問を深く知れば知るほど、学問を憎む材料がたくさん見つかってくる。私はまだその段階に達していない。ただ、学問は楽しい、学問は認識を深める、学問は自分に合っている、そう思っている。私はまだ学問を…

なぜ帰属意識がなかったのか

私の失敗が、私がしほうしけん業界に帰属意識を持っていなかったことに由来することを書いたが、ではなぜ私は帰属意識を持っていなかったのか。その理由は、私の反体制的な気質による。 短答式試験で要求されるのは、国家が採用している法制度、裁判所が採用…

たくいつと論文の違い

たくいつも論文も本質的には同じだと良く言われるが、そうでもないんじゃないかとも思える。例えば条文にしても、そうじゃない条文になることだってあり得たはずだ。例えば留置権の主張をしても被担保債権の消滅時効は進行すると民法300条あたりに規定さ…

手続

いつも思いつきばかりで申し訳ないが今回も思いつき。敗訴当事者が判決の効力を受ける根拠を、その当事者が訴訟において手続保障を受けたことに求める見解がある。刑事事件だったら、検察官の主張が真実だとという心証を裁判官に抱かせないように被告人に防…

不作為の自由

「何もしなくていいんだよ」と自分に言い聞かせて幸福感を味わっている。つかの間の休みを謳歌しよう。適当に哲学や小説や評論などを読んで、音楽を聞いている。買い物に出かけたり、温泉に行ったり。 表現の自由や信教の自由など、人権というと作為の自由み…

楽に生きない

私は、あるとき、ある人から、「もっと楽に呼吸をしてはいいのでは? と思うことがありました。」と言われたことがある。傍目にも私は楽に生きていないようだ。また、以前書いたが、あるときには、ある人から、「analysis_nzさんってもっと屈折していると思…

自力救済

自分が不正な取扱いを受けたとき、それでも反撃してはいけないのだろうか。例えば、根も葉もない侮辱的な噂を流され、かといって名誉棄損で立件できるほどの違法性もないとき。法が介入するまでもない軽度の侵害でも、その侵害によって心が傷つけられること…

刑法

しかし刑法は面白い。受験勉強をやっていても、これはこういうアプローチができるんじゃないか?とか思ったりする。 まず、故意の問題。38条「罪を犯す意思」。故意は認識であるとするという説と意思であるとする説がある。また、故意に違法性の意識やその…

限界

物事には限界がある。例えば人間関係。本当に親しくなって、たいていのことが話せるような人間関係なんてそうは作れない。親友はいても一人や二人が限界だ。この限界をわきまえないで、理想を夢見ていると、現実の壁にぶち当たって無駄に傷つくことになる。…

勉強について

本を読むことは思考の展開する領域を広げることだと思う。例えば日本の統治機構がどうなっているのかを知りたければ、憲法の基本書でも読めばいい。そうすれば、日本の統治の在り方についての考えの幅が広がるはずである。このようにして、自分の思考の限界…

勉強について

勉強とは一種のコミュニケーションだと思う。基本書を読んだり問題集を読んだりするとき、それらを書いた人と私はコミュニケートしているのである。だがこのコミュニケーションには特徴があって、それは、(1)一方的であること、(2)受け手の方が積極的…

下積み

私は下積みが長い。下積みが長いと弊害がある。 まず、自己評価が低くなること。目に見える達成もなく、社会的評価も得られないのだから、自己評価を高く維持するのは困難である。実際私は、自分に人間的な魅力など全くないと思っているし、才能もろくにない…

浪人

浪人して良かったことも悪かったこともあるが、良かったことについて書く。 何よりも、自分の人生と真っ向から向き合う時間が作れたことが良かった。制度に組み込まれていると、「自分は何者であるか」という問いに対して、擬似的な答えが与えられ、その擬似…

断片性

刑法の謙抑性の一内容として、刑法の断片性があげられる。これは、単なる不利益ではなく、侵害者を処罰する必要があるほどの法益侵害があって初めて刑法が介入するべきだとする原理である。だが、法システム自体がそもそも断片的ではないか。 人間が生活する…

保管

保管って何だろう。所有権の内容は使用・収益・処分だから、保管は所有権の内容ではない。「保管権」というのが特にあるわけでもなく、「俺の保管を邪魔するな」という妨害排除請求はとても奇妙だ。だからといって、「保管義務」という自己に対する義務があ…

悪について

悪をなくすにはどうしたらいいか。悪というものとどう対処したらいいか。そんなことをよく考える。だがそういった思考の前提として、そもそも悪とは何であり、どこからどこまで悪なのか、という問題がある。たとえば眠っている人の顔にいたずら書きをするの…

不確定な将来のための対策

将来は何が起こるか分からない。だが、何らかの不利益な状態になってしまってからその対策をしたのでは遅いことがある。その場合、将来の不確定性が現在に影響を与える。つまり、何が起きてもいいように今のうちに対策しておこうという発想である。 将来の不…

「選任」

人間と機械との違いが、この「選任」という言葉に現われている気がする。任命権者がある人を「選任」する場合、その人の個性や能力に着目してその人を「選び」、その人の裁量に機関としての役割を「任せ」ている。つまり、人間は機械と異なって個性があるか…

「ブラックジャック」のすごさ

手塚治虫の「ブラックジャック」の主人公であるブラックジャックは、医術によって人を治すことをほとんど絶対的な価値として信じています。彼は神業でもって、普通の医者には治せないような病を手術によって次々と治していきます。そのヒロイズムだけを描い…

存在しない制度

現行制度では、立法府は国民によって選ばれ、司法府は国民以外によって選ばれ、行政府は主に立法府からさらに選ばれる。つまり、(1)国民によって選ばれる、(2)国民以外によって選ばれる、(3)選ばれた中からさらに選ばれる、という組織のされ方をさ…