社会科学読書ブログ

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2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

法の豊かさと社会の豊かさ

刑法における、客体を物理的に損傷する罪を考える。すると、放火罪(107−110)、殺人罪(199)、傷害罪(204)、文書毀棄罪(258,259)、建造物等損壊罪(260)、器物損壊罪(261)などといった様々な罪が規定されている。 もし、…

温情

少し前、私が風邪をひいて自主ゼミをキャンセルしたとき、友達が答案例を持ってきたついでにリポビタンを買ってきてくれた。私はそのような温情に触れたことがほとんどなかったので、とても感激した。馬鹿みたいな話だが涙が出そうになった。私ももっと優し…

法律学の意味論?

刑法典は、ひとつの辞書だと考えてみる。例えば刑法235条は、「窃盗犯」を「他人の財物を窃取した者」と定義しているのである。ある人が「窃盗犯」であるかどうかは、「他人の財物を窃取」したかどうかで決まるのである。 だが、刑法典の規定は抽象的で、…

陰険な連中

今日、6限の法曹倫理が終わって、8時ごろにキャンパスを歩いていたら、数人が暗がりの中で話をしていて、そこから「イライラする」という言葉が聞こえてきた。私もまた暗がりの中にいたし、聞いたことのない声だったから、おそらく私のことではないのだろ…

対抗要件としての登記

対抗要件とは、「既に(当事者間で)成立した権利関係・法律関係を他人に対して法律上主張することができるために必要とされる法律要件」(法律用語辞典)である。民法177条は、不動産の物権変動について登記を対抗要件としている。これはなぜか。 BがAに…

自主ゼミ

友達(W君)と刑事法の過去問に対する解答を作ってお互いに見せ合い、いろいろと議論するというゼミをやっているのだが、今回の答案では、私とW君の実力の差が歴然と現れてしまった。もちろん私が劣っているのである。 論点を発見するためには論点を知ってい…

情報の価値

情報は世の中にいくらでもあるのだが、特別に扱われる情報というものがある。ある情報は頻繁に参照されるかもしれないし(例えば行政規則)、ある情報は熱心に捜し求められるかもしれない(例えば書証)。ある情報は、流通がストップされ、人に知られないよ…

■因果関係 因果関係はこの世界に充満している。私がこのようなブログを書いている原因は法律学を勉強したことである。私が法律学を勉強した原因は私の職に就こうという決意である。何も人が殺されたときにだけ因果関係が働いているわけではないのである。 そ…

■目的規定 刑事訴訟法1条 この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現することを目的とする。 法律にはこのような目的規定がおかれることが多いが、…

■所属ロースクールの印象・雑感私の在籍するロースクールは適性試験の点数のボーダーラインが低いので、大したことがないのではないかと思っていたのだが、実際に入学してみると優秀な方が多くて驚いた。単に私が法律ができないだけかもしれないが。私は既習…

法律の一部は、方法であり手順でありプロセスである。つまり、合理的な行為連鎖のカタログである。この行為連鎖群は合理的であることが保障されているから、それに従う者は特にその意味を考える必要はない。行為者はただ法律に従って行為すればよいのだから…

はじめまして

こちらのブログでは、法律学やロースクールの生活について書いていきます。 よろしくお願いします。