社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

嘉戸一将『法の近代』(岩波新書)

法の近代 権力と暴力をわかつもの (岩波新書) 作者:嘉戸 一将 岩波書店 Amazon 法とは何か。何が権力と暴力を分けるのか。そのテーマについて、様々な知見をもとにダイナミックに思考している本。結論としては、権力と暴力、政府と盗賊を区別するために、主…

石井あらた『「山奥ニート」やってます。』(光文社)

「山奥ニート」やってます。 作者:石井 あらた 光文社 Amazon 月々18,000円の生活費で、山奥でニートたちが15人ほど暮らしている。そのNPOをやっている著者の実体験。高齢者が少しだけ暮らす限界集落で、廃校に暮らすニートたち。家賃はゼロで、食費…

岡本夏木『子どもとことば』(岩波新書)

子どもとことば (岩波新書) 作者:岡本 夏木 岩波書店 Amazon 子どもの言葉の発達についてコンパクトにまとまった良書。乳児は言葉を発さなくても行動などでコミュニケーションする。言葉によるコミュニケーションに先立ち、言葉によるコミュニケーションの土…

リベラル公務員

日本は現代多様な問題に直面している。何よりも少子化が止まらないし、高齢化も進展している。デジタル社会に対応していかなければならないし、男女格差も依然解消されない。そんな中移民が増えたり性的少数者が注目されたり社会は多様性を増している。電気…

エーリッヒ・フロム『生きるということ』(紀伊國屋書店)

生きるということ 新装版 作者:エーリッヒ・フロム 紀伊國屋書店出版部 Amazon 持つこと(to have)とあること(to be)を対比させながら、あるべき人間の姿を提示する本。あるべき人間の姿としては、①十全に「ある」ために、あらゆる「持つ」形態を進んで放…

鈴木大介『ネット右翼になった父』(講談社現代新書)

ネット右翼になった父 (講談社現代新書) 作者:鈴木大介 講談社 Amazon 晩年ネット右翼に近い言動をとっていた父の実像に迫っていくルポルタージュ。著者の父親は、がんで亡くなる前の晩年、①嫌中嫌韓、②社会的弱者への無理解、③伝統的家族への回帰、性的多様…

樺沢紫苑『言語化の魔力』(幻冬舎)

言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える (幻冬舎単行本) 作者:樺沢紫苑 幻冬舎 Amazon 悩みを解消する方法を脳科学の知見をもとに解説している。悩みは停滞から生じるので少しでも前進させて行ったり希望を持てたりすることで解消していく。その際、言語…

レジー『ファスト教養』(集英社新書)

ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち (集英社新書) 作者:レジー 集英社 Amazon ビジネスにすぐ役立つ教養としての「ファスト教養」が流行している。その現象を分析し、その背後に何があるか探っている本。中田敦彦の「YouTube大学」に代表されるように、…