社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

岩崎・松尾編『世界政治1』(ちくま新書)

 民主主義の後退と権威主義化という現代世界の潮流について、具体例をもとに分析している。アメリカのトランプ政権のように、欧米の民主主義国では、反移民や反エリート支配、反国際機関、反リベラルといった有権者感情に訴えるポピュリズムが広がっている。また、中国やロシアなどの非民主的な国では、言論統制や独裁化、選挙の不正操作、野党の弾圧など権威主義化がさらに進んでいる。

 本書は、民主主義が掲げる人権尊重の理念が、現代世界においてどんどん後退していることが危機感を持って語られている。資本主義は格差を拡大するため、民主主義と相性が悪いが、かといって権威主義による寡頭独占、人権蹂躙を黙って見ているわけにもいかない。近代社会が獲得した人間の自由と尊厳を守るため、民主主義の不備を矯正しつつも維持しなければならないだろう。

岩城一郎『日本のインフラ危機』(講談社現代新書)

 日本の道路や橋などのインフラが老朽化していることを指摘。橋やトンネル・ダムは鉄筋コンクリートで作られているが、鉄筋コンクリートは老朽化する。コンクリートは中性化・塩害・凍害などで破損するため、インフラ健康診断により点検・調査しメンテナンスする必要がある。その際、アセットマネジメントが重要で、資産を効率よく管理・運用する取り組みが大事である。

 日本のインフラが老朽化している事実を指摘するとともに、老朽化の科学的な仕組みを解説し、それに対する対策について書いている本である。人もカネもない中、自治体はインフラをメンテナンスしていかなければいかず、危機的な状況ではあるが、適切にマネジメントしていけばあるものを長持ちさせることができる。ないものねだりではなく「あるものいかし」をどのように行うかが課題である。

梯久美子『昭和の遺書』(中公文庫)

 本書は、昭和の時代に作家や兵士、政治家や活動家などが遺した遺書から辿った昭和史である。芥川の自殺から二二六事件、太平洋戦争から学生運動など、昭和の大きな出来事の背後には、死んでいった者たちの遺書があった。それらの遺書の時代背景を読みとくとともに、遺書に表れた昭和の時代の人々の肉声を読みといていく。遺書の内容は、反省や感謝、謝罪など多岐にわたり、それぞれの人々の性格を表すものだった。

 遺書を題材とした昭和史である。遺書という痛切な文章に込められた、激動の昭和の時代を生きた人々の人生や思想、そういうものをもとに昭和の時代をある一面から照射しようとしている。それは特異な昭和史ではあるが、命を懸けた人々の言葉は重く切ない。時代を彩った重要人物たちの肉声を読むことができてよかった。このような試みは昭和だけでなく様々な地域と時代で行うことができるだろう。

一ノ瀬正樹『犬儒派宣言』(講談社選書メチエ)

 犬と親交の深い哲学者が、その人生の立ち位置から犬儒派的な視点を新たにとらえ返している。犬儒派の立場からすると、犬のような低い視線から、改めて地面や根底や足元を見つめることで価値が逆転する。世界そのものに近づくために、犬目線で世の中を見てみる。下へ下へと潜行することで子ども目線になる。そうすると、哲学の諸問題も別な様相を呈する。

 一ノ瀬正樹先生の秀抜な哲学エッセイだ。まさに垂涎ものの一冊であり、非常に楽しく読めた。ただの机上の空論ではなく、先生の犬とともに生きた人生に根差した犬儒派宣言であり、そこには実感や深い体験の強度が潜んでいる。体験の強度から放たれる思想の強度なので、読んでいて面白い。もちろん、一ノ瀬先生の全知性は、この一冊には到底おさまりきらない。だが、この一冊を読むだけでとても面白い。

私の節約術

 私はそれほど良い給料をもらっているわけではない。それでありながら、専業主婦の妻と子一人を抱えているため、お金の節約には気を使っている。私が実施している節約術を書いてみる。

 まず、服にはお金をかけない。スーツに至っては、就職したときに買ったスーツをいまだに着ている。ボタンがとれたこともあったが、つけ直して着続けている。それ以外の服も、着れるだけ着る。飽きたとかそういう意味で買い替えず、物理的に着れなくなるまで着る。服だけではなく、ファッション関係はすべてそうである。

 食費を浮かす工夫をする。レトルトカレーにしても、400円するものから100円台のものまである。たいてい100円台のもので間に合ってしまうものである。たまのぜいたくは良いとしても、基本安くておいしいもので済ます。パンにしても、味に大差がないのであればブランドにこだわらない。また、味噌汁なども、インスタントで済むものはインスタントで済ます。朝食は納豆とインスタントの味噌汁でいい。あと、かつては朝ごはんだけでは足りなくて朝コンビニで菓子パンを買って職場で食べていたが、いまでは朝おにぎりを握って食べるようにしている。これは健康にもよいと思う。飲み物については、最近コンビニで一本買うと一本無料券がついてくるセールをやっているので、それを最大限活用している。

 なるべくポイントの付く店で買う。同じ買い物をしても、もらえるポイントには大きな差があることがある。例えば私はかつてあるスーパーで買い物をしていたが、8000円買っても40ポイントしかつかなかった。ところが別のスーパーで買い物をするようになったら、5000円でも150ポイントつくようになった。買う内容にさして差はないので、なるべくポイントの付くお店で買うようにしている。

 あと、私はポイ活をしている。ポイ活といっても、ただ広告を見るだけとかつらいものではなく、クイズに答えるとかゲーム感覚のものを選ぶ。ポイ活でスマホを使っていれば、スマホでお金を使う時間も減ると思う。

 最後に、本はなるべく図書館で。買った本についても、大事なもの以外は古本屋で売ってしまう。買いたいと思った本であっても、図書館にあるものは図書館から借りる。手元に置いておきたい本だけ買って手元に置いておくものとして、なるべく図書館を利用し、不要なものは速やかに売る。

 こんなふうに節約を頑張っているが、節約ばかりしているわけではないので限界がある。とりあえず私の精神的余裕からすると、これくらいが限界である。

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