社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

樺沢紫苑『言語化の魔力』(幻冬舎)

 悩みを解消する方法を脳科学の知見をもとに解説している。悩みは停滞から生じるので少しでも前進させて行ったり希望を持てたりすることで解消していく。その際、言語化というものは大きな力を発する。悩みを言葉にするだけで、悩みは無意識から意識に変わる。そうすることで漠然としてとらえどころがなかった悩みが、客観的・具体的に取り扱い可能となる。また、悩みを外に出すことで脳のワーキングメモリの空きができる。その際、文章にまとめるだけでもいいが、人と話すことはより有効である。共有・共感・安心によりオキシトシンが分泌され、精神状態がよくなる。

 本書は様々な悩みを抱えている人に、具体的な悩み解決法を教示している。実際私も悩むことがしばしばあるので、そのたびごとに上手に言語化してモヤモヤを具体化していきたい。実際、毎日日記はつけているし、考えがまとまったら文章を書いている。それは心の健康に資していたということが改めて分かった。心が軽くなる本である。