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田舎で暮らす理由

 私は地方都市に住んでいる。地方都市に職を得て、そこで働いている。ではなぜ大都市圏ではなく地方で働いているのか。それには様々な理由がある。
 まず、実家が近いということ。家族との接触の機会が増えるし、実家は落ち着くし、何かと便利である。実家は農家なので、その手伝いをするためにも実家が近いのは大きなメリットである。
 次に、友人関係がこちらで出来上がっているということ。親しい友達も恋人も地元の近くにいる。一緒に遊びに行ったりする相手が近くにいるということは大きなメリットである。
 また、自然に恵まれているということ。私は果樹農家で育ち、近くの山で子供の頃よく遊んだため、原風景が緑なのである。だから、常に緑が身近にある田舎というのはとても暮らしやすく安心する。田舎育ちの人間はやはり田舎で暮らすのが適している。
 そして、田舎でもそれなりの大企業に勤めているということ。田舎であっても収入にはそれほど困っていない。この企業も比較的ホワイトで働きやすく満足している。また、仕事には十分やりがいがあり、社会の役に立っている実感がある。
 それに、趣味の面でも困っていない。私は表現や読書や芸術鑑賞が主な趣味であるが、文章を書いたり読んだりするのに特に都会に出る必要はないし、地元の美術館や博物館でも十分芸術鑑賞の欲望は満たせる。本や音楽、映画については田舎でも大抵のものは手に入る。
 また、遊ぶスポットにも困らない。田舎といっても洒落た喫茶店はあるし、温泉や景勝地はむしろ都会より多いくらいだろう。遊びに行くスポットがたくさんあるために、余暇の過ごし方でも困ることはない。
 以上、結局地元の田舎で過ごすということは、心の安定という実存的な欲求を満たし、また仕事や生活・趣味にも困らず、充実した幸せな生活を送ることができる。ここで何よりも「心の安定」という要素が大きいと思う。実家・故郷とのつながりや自然とのつながり、友人や恋人のつながりというものが地元にはそろっていて、それが私が田舎で働く一番の理由となっている。