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模試

 模試が5万円以上するらしくて、そんなに高いのなら受けられないと言ったところ、みんな金がないのに受けてるんだ、みたいな返事が来た。

 模試を受けなくても、優秀者の答案や出題趣旨・採点実感などを検討して書き方を学び、実際に時間を決めて初見で問題集の問題や過去問を解き、解説で自分がどれだけできていたかを確かめる、それで充分だと私は思う。ただ模試を受けてろくに復習しないよりも、そっちの方が力がつくはず。

 私にとって金銭の問題というのはデリケートな問題で、その点について掘り下げられるのは苦しい。授業料は免除されていたし、一番金がかからず職に結びつく大学院を選んだ。私の人生の選択において金銭の問題というのは大きかった。科学哲学をあきらめたのも金銭面からだった。それについて、たいして苦労もしてない人間から、俺たちも苦労している、と言われるととても傷つく。理解されないのが悲しい。

 バイトなどをして予備校の講座を受けるための金銭を工面しているような人もいるようだが、その苦労の方向性がなんか違う気がする。バイトをするんだったらその時間金のかからないような方法で勉強した方が圧倒的に良い。予備校偏重、受験偏重の人たちと自分とでは根本的に価値観が違うと思う。

 結局、お互いに「理解してくれ」と言い合う場合、私は常に「大人」の立場に立つ。自分は理解されなくても、相手を理解しようと努力する。そうやって生きてきた。でもたまには「子供」になって駄々をこねたい気分もある。「俺のことをもっと理解してくれ!」と叫びたいこともある。だがそういう気持ちは孤独に押し殺していればよいのだ。

痛み堪えて
痛み殺した

syrup16g「シーツ」より。孤独に痛みをこらえて痛みを殺して生きていけばいい。理解されなくても生きていける。