事実の調査・提出、証拠の調査・提出について、裁判所が主導するか当事者が主導するかで、4パターンが考えられる。(1)職権調査・職権証拠調べ、(2)職権調査・証拠の提出の弁論主義、(3)弁論主義・証拠の提出の弁論主義、(4)弁論主義・職権証拠調べ。(1)は公益性の強い訴訟要件について。(2)は訴えの利益など公益性が比較的弱い訴訟要件について。(3)は普通の事実や私益性の強い訴訟要件について。だが、(4)のケースはいかなる場合に採用されるのか。この部分が基本書を読んでも書いていない。人事訴訟においては(1)の職権探知が人事訴訟法20条で規定されている。だが、そこでは職権探知が「できる」と書かれているのみであり、事実について当事者に主張させておきながら、証拠については裁判所が調べるということも排除されていないのではないだろうか。