社会科学読書ブログ

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 そう言えばローにいた頃、自分が「法学研究科」にいる、という自覚が全くなかった。なんか、哲学やって詩を書いたりしてる人間がひょこっと入っちゃった、的な感覚だった。いつまでも自分のアイデンティティは哲学だったのだ。このアイデンティティが変わったのが、去年の一月ごろ。ローを出て、一回受けなかった、その後の年頭にあたって、ふと、「自分には法律しかない」と悟ったのだった。ローにいた頃は全く法律をやっているという自覚がなかったが、試験に受からないと人生がやばいぞ、という瀬戸際になってようやく法律のアイデンティティを獲得したのである。甘えてたんだなあ。自分は楽に東大に入った人間だ。だから、世の中というものが、何でも片手間でうまくいくと思っているところがある。真剣に取り組まなくとも何とかなる、そういう甘えをいつまでも持っていた。だが、しほうしけんに直面していよいよそういう甘えが通用しなくなった。そこで獲得したのが、法律家としてのアイデンティティであり、法律家としてのプロ意識だ。年齢の問題もあるけどね。