性をめぐる初心者向けの論文集。
①文化人類学の観点から性の多様性について論じる宮岡論文。
②LGBT当事者へのインタビュー。
③エンハンスメントとしての美容整形について論じる佐藤論文。
④脳の性差について論じる筒井論文。
⑤ピルについての紹介と議論を行う相澤論文。
シリーズ「愛・性・家族の哲学」第二弾としての本書は、性についての多様な論文を収める。性というものについての何らかの体系を示すというよりは、性をめぐって多様な軌道を旋回するかのようだ。LGBTの話は予想していたが、美容整形やピルについての論文は予想していなかった。最後の古賀論文が一番哲学的でよく練られていたと思う。