大学の経営崩壊に関するルポルタージュ。大学は、トップの独裁により暴走したり、文科省の私物化によって国に都合よく運営されたり、学問の自由が脅かされる事例が生じている。そのほかにもハラスメントや天下りの問題、非常勤の雇止めの問題などがあり、一部の大学で経営上の失態がみられる。ジャーナリストによるそういった事例に関するルポルタージュである。
「大学崩壊」というので、学級崩壊のようなものを想像していたら、経営の崩壊の方だった。新聞沙汰になるような違法不当な行為が経営陣によってなされているという告発の書ではあるが、個々の事例はそれほど普遍的な問題を内包しているようには思われなかった。もしくは、こういった問題の背後にある原理を提示している本ではなかった。確かに一部の大学ではこのようなことが起こっている。だが他は適正かもしれない。