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 契約と合意解除って結構似てる気がする。どちらも、双方の意思によって権利義務関係を変動させているので。たとえば売買契約だったら、当事者の合意によって、売主には代金債権と目的物引渡し債務が設定され、買主には代金債務と目的物引渡請求権が設定される。もちろん、諸々の付随義務等も債権者利益の実現のために発生するわけだが。合意解除は、当事者の合意によって、それらの権利義務を消滅させる。

 契約以前、人は比較的無秩序である。だが契約はひとつの秩序を作る。それが債権関係である。当事者は、債権者利益の実現に向けて行為を積み重ねていく。そして、債権の実現や解除によって、それまでの秩序だった当事者間の関係が再び比較的無秩序になる。なんだろう、ばらばらに散らばってたものが、契約によってぎゅっと整頓され、その終了によってまたばらばらになる感じ。