人生の選択における不平等の実態と解消法を説明。
子ども、若者、成人、高齢者といったライフステージごとに人生の選択肢が不条理に限定されている。女だから、男だから、貧しい家庭だから、望むだけの教育を受けられない、希望の職業につけないという不条理が起こっている。
このような社会においては、社会的想像力を働かせ、貧困などで困っている当事者をおもんばかる姿勢が必要である。我々はお互い様の関係で広くつながっているのだから。社会政策としては、貧困対策としての再分配、子育て支援や就労支援、就労を通した参加型社会の形成が挙げられる。
本書では現代社会の様々な問題が、個々人の人生の選択の問題として再構成されている。そして、貧困などにより人生の選択肢が奪われてしまう人へと手を差し伸べる手段としてお互い様の意識という社会的想像力があげられ、具体的な政策提言をしている。同内容のことは繰り返し言われてきたが、それを人生の選択肢の問題として再構成している点が本書の新しいところである。参考になった。