爆笑必至であるが、なかなか鋭い洞察を示してくれるマウンティングに関する本。マウンティングの実例を豊富に示したうえで、相手にマウントをとらせることがビジネスシーンでも役に立つことを示す。また、イノベーションは、消費者のマウンティングエクスペリエンスを拡大することで生まれるとする。つまり、消費者のマウントしたい欲望を叶える商品を開発することが技術革新につながる。マウント要素を上手に組み合わせて独自のマウンティングポジションに立ち他人と比較されないマウントフルネスに立つことが大事。
本書はほとんどジョークで書かれているような本であるが、マウンティングの実例は秀逸であり、またマウンティングについて展開される牽強付会ともとれるビジネススキルや生き方指南は意外と説得的で参考になる。マウンティングについては、こういうネタ本もいいがもっと強面の学術書が待たれる。