社会科学読書ブログ

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山本謙治『エシカルフード』(角川新書)

 倫理的な食について書かれた本。倫理的な消費とは、①人への取り組みとして、児童労働への対応、労働者を搾取しない公正な報酬、労働者の待遇の公正性、②環境への取り組みとして、持続的な土地利用・天然資源の活用、化学肥料や農薬による土壌汚染の現象と食品輸送等での環境コスト削減、③動物への取り組みとして、アニマルウェルフェアの実現、これらの配慮がなされた食品を買うことである。エシカルフードは品質が良いとして欧米では「ときどきエシカル」な層が増えている。日本でもこれからエシカルフードが広がり始めている。

 我々のように普通に暮らしている一般の人間でも、環境問題や社会問題に貢献することができる。それはエシカルフードを消費することによってである。人権や環境や動物に配慮して生産された食品をより多く消費することで、社会問題の解決に少しでも貢献できる。常にエシカルである必要はないが、「ときどきエシカル」になることはかっこいいことだと思う。私も今年の母の日にはエシカルフードを母にプレゼントした。