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私の教養主義

 私にとっての教養主義とは、基本的には読書や学問を通じて人格形成を行うことである。だが、もちろん人格形成のためには人間関係や就業も重要である。だから広い意味で教養主義を捉えると、読書や学問のみならず広く社会的関係において自らの人格形成を行うことである。
 もちろん、この教養主義エートスは資本主義の影響を強く受けており、成長主義や生産主義が至上のものとなっている。たえざる学びによって自らを高めていくという成長主義、学んだことを生かして自ら創造していくという生産主義は、まさしく資本主義のエートスであろう。
 それだけではない。教養によって人格形成するといった場合、そこでは批判能力を持つ創造的な自立した主体が想定されており、それはまさに近代人としての自我を形成するということに他ならない。教養によって近代人としての自我を形成することが、私が様々な学びを通して実現したいことである。
 そして、この教養主義は絶えずアップデートされていく。新しく学んだ知識や経験により、この資本主義的で近代的な教養主義自身もまた批判の対象となり、日々更新されていく。この日々新しく自らを創造するということも教養主義の要諦である。
 人が学ぶために必要なのは読書だけではない。労働において学ぶことも多いだろうし、人付き合いで学ぶことも多いだろう。その多様な学びによって自らを成長させていき、幅広い見地からの批判能力・想像力を備え、絶えず生産・更新していく。それが私の教養主義である。