社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

軽部謙介『官僚たちのアベノミクス』(岩波新書)

官僚たちのアベノミクス――異形の経済政策はいかに作られたか (岩波新書) 作者:軽部 謙介 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/02/21 メディア: 新書 政府が何らかの政策を打ち出すと、新聞で結果だけを読んでいる我々としては、あたかも総理大臣が単独で…

渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎)

置かれた場所で咲きなさい 作者:渡辺 和子 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2012/04/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) 渡世というものはまことに難しい。世の中の人間関係は複雑だし、その複雑な人間関係にどう対処するかについて明確な答えがない。時…

税務職員を一年間やって気づいたこと

1 目標は財源確保 税務職員は政府が事業を展開するにあたって必要となる財源を確保するために課税及び徴収する任務を担っている。だが、租税法律主義のもと賦課徴収は行われるため、法律に基づいた分しか税金は徴収できない。だから、頑張ればたくさん課税…

並木正吉『農村は変わる』(岩波新書)

農村は変わる (1960年) (岩波新書) 作者:並木 正吉 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1960 メディア: 新書 戦前の家制度は戦後解体され、家族は夫婦を基本単位として再構成された。だが、農村では家制度の名残がいつまでも残り続けた。例えば、農業を家業…

今野晴貴『ブラック奨学金』(文春新書)

ブラック奨学金 (文春新書) 作者:今野 晴貴 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/06/20 メディア: 単行本 私も学生時代奨学金を借りた。大学時代と大学院時代、合わせて400万円くらい借りたと思う。就職して順調に返済し、今では残額が100万円ほど…

樺沢紫苑『神・時間術』(大和書房)

脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 作者:樺沢 紫苑 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2017/04/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 日本ではつとに労働生産性の低さが指摘され、働き方改革により労働効率アップ、プライベートの充実が叫ば…

夫婦でともに読む本

私たち夫婦は二人とも本が好きである。とはいってもお互いに本の趣味は違うから、読んでいる本はお互いに違う。それでも、二人とも共通で興味のある本というのもある。それが夫婦関係に関する本である。 今まで夫婦でともに読んだ夫婦関係の本としては、北杜…

大牟羅良『ものいわぬ農民』(岩波新書)

ものいわぬ農民 (岩波新書 青版) 作者:大牟羅 良 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2002/06/12 メディア: 新書 私は東北の農村で生まれ育った。大学時代に上京し、その後仙台で大学院生活を送り、今はまた生まれ育った県でサラリーマンをしている。私は都…

速水健朗『都市と消費とディズニーの夢』(角川oneテーマ21)

都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代 (oneテーマ21) 作者:速水 健朗 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2012/08/10 メディア: 新書 現代の都市は効率化の波にさらされている。至る所を最大限有効…

黒川伊保子『夫のトリセツ』(講談社+α新書)

夫のトリセツ (講談社+α新書) 作者:黒川 伊保子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/10/19 メディア: 新書 夫婦の間ではディスコミュニケーションがしばしば生じる。妻の側ではとにかくプロセスの細部を聞いて共感してほしいのに、夫の側は単刀直入に結論…