社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

子育て世代の憂鬱

結婚すること、子を授かることは確かに大きな幸福である。だが、結婚により自由を失い、子どもを育てることでさらに自由を失うこともまた確かである。結婚や子育てはポジティブ・ネガティブ両方の意義があり、その両方を味わうことが人生を豊かにするのであ…

深町晋也『家族と刑法』(有斐閣)

家族と刑法 -- 家庭は犯罪の温床か? 作者:深町 晋也 有斐閣 Amazon 家庭で問題となる刑法の問題についておもにドイツ法を参照しながら論述している。もともと、「法は家庭に入らず」というように、刑法において家族や親族は処罰を限定する方向での意義を有し…

ニコラス=シェリル『絶望死』(朝日新聞出版)

絶望死 労働者階級の命を奪う「病」 作者:N・D・クリストフ+S・ウータ 朝日新聞出版 Amazon 現代アメリカの惨状を描く本。「絶望死」とは薬物・アルコール・自殺による死のことである。絶望死の原因としては地位や良い職を失ったり子どもへの希望が失わ…

筒井清輝『人権と国家』(岩波新書)

人権と国家 理念の力と国際政治の現実 (岩波新書) 作者:筒井 清輝 岩波書店 Amazon 人権と国家という相対立するものがどのように絡み合ってきたか検証している重厚な本。過去数世紀の間に、大国間の駆け引きの中で大義として使われてきた人権が、予期せぬ形…