社会科学読書ブログ

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松本利明『できる30代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)

 ビジネス書としては標準的な感じであり、それほど新しいことが書いてあるわけでもないが、それでもところどころ参考になる点があり、読んだ後に「仕事頑張ろう」と元気の出てくる本である。

 30代になったら、不得意分野を克服している時間はない。得意分野を伸ばしていき、得意分野から好きな分野を見つけ出していくのがよい。キャリアは面積でとらえること。人軸(資質・スキル・経験)と場所軸(業界・会社・職種・役職)を掛け算するのである。キャリアの面積が増えるとキャリアや働き方の選択肢が増え、出世や昇給のチャンスも増える。対人関係については、とにかく戦略的にスルーすること。そして得意な人と仲良くなること。感謝に感情をこめて伝えること。理性的な人に根回しすること。

 本書において独自の視点が展開されるのは「キャリアの面積」の点であろう。単純にスキルアップしていっただけでは普通の人が出来上がる。そうではなく、活躍する場所を広げることでキャリアはより広がっていく。常々感謝を伝えるのは本当に大事だし、戦略的にスルーすることはいつでも心がけていたい。