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明るく出る、明るくかける

 今の部署で勤務していて学んだことは多岐にわたるが、その中で最もシンプルかつ最も重要なことは電話の出方である。今の部署では客から電話がかかってくることが結構多い。それも、良い内容よりは悪い内容の方が多い。クレームもしばしばある。だから、電話がかかってきたらとにかく明るく物柔らかに対応するように心がけている。つまり、「私はあなたを尊重しているし、あなたを歓迎している」というメッセージを言外で送るのである。そうすると、電話の流れが結構変わってくる。下手をするとクレームに発展しそうな電話でも第一印象をよくすることによりクレームに至らなかったりするものである。逆に電話に暗く出て第一印象を悪くすると、大した内容でなくてもクレームに発展してしまいかねない。

 客からかかってくる電話というのはその場一回限りであることが多い。つまり一回勝負である。その時一番重要なのは第一印象をよくすることだ。はっきり言って相手のこちらのイメージは第一印象しか存在しない。その第一印象を良くし、客が自分が尊ばれていることを感じると、客も話をあまり悪い方向にはもっていかないものである。

 同じことは電話をかけるときにも言える。特に関係機関などに頼みごとをするときに必要なのが、明るく物柔らかに電話をかけるというスキルだ。頼みづらいことであっても、こちらの印象を良くすることにより相手がやってくれるように誘導することが可能だ。仕事をスムーズに進めるためにも電話を明るくかけて「あなたを尊重しあなたに好意を持っている」という言外のメッセージを伝えることが大事だ。

 電話をする際、いちいち言葉で「私はあなたを尊重している」などという機会はない。だが、電話をする際の声の表情で「私はあなたを尊重している」というメッセージを送ることは可能だ。その声の表情により、相手は気分を良くし、電話の内容が良い方向に運んでいくのである。電話は明るく出る、電話は明るくかける。