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応報

 応報という概念がいまいちよく分からなかった。一般予防や特別予防はよく分かる。なんらかの社会的利益を実現するために特定の制度を作るというのはよくあることで、刑罰制度もそのひとつと考えることができるからだ。

 応報刑論というのは、カントに由来するらしく、刑罰を社会目的で科してはならないとする。法規範は、何らかの目的を実現するための命令である仮言命法ではなく、それ自体が目的である定言命法である。よって、誰かが法規範に違反した場合も、刑罰はその法規範の目的とする利益を保護するために科されるのではなく、ただ法規範に違反したという理由で科される。この、ただ規範に違反したというだけの理由で刑が科されることが「応報」なのだろう。

 これは「人格の手段化」を拒否するためらしい。おそらく、人格を律する規範が何らかの利益を実現するための手段であるならば、それによって律せられる人格もまた何らかの利益を実現するための手段となり、妥当でないという考えなんだろう。

 カント倫理学の専門家ではないのでこれ以上語れない。ひまがあったら少しかじってみよう。

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