社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

余白

 憲法の統治についての基本書を読み終えた。知識的には得るものは少なかった。こういう節目の時、結局自分は何を学んだのだろう、と思う。確かに択一できかれる知識がより正確にはなった。だがそういうことではなくて、全体として何がわかったのか、それがよく分からないことが多い。

 統治の基本書を読んで私がわかったのは、憲法の余白である。憲法に書かれてある根本的な制度は実際に運営されている。だが、それ以外の可能性もあった。例えば大統領制にすることもできたし、もっと憲法を改正しやすくすることもできた。そういった様々な可能的な制度が、それぞれの合理性の度合いを備えて憲法の余白に存在する。そのようなそれぞれに合理的な可能的制度の中で、なぜ現行制度が選ばれたのか、そのことについて私はまだよく理解できていない。試験対策をするならば現行制度を覚えればそれでいいが、統治の根本問題に肉迫するためには、ほかの制度の可能性を十分吟味しなければならないと思う。つまり政治学を学ばなければならない。