GAFAが発展した要因を分析し、それが日本にはないことを説明している本。アップルでは、スティーブ・ジョブズのクレイジーさがその成功を導いた。グーグルでは先見の明を有する投資家による巨額の投資や優秀な移民の積極的な登用といったエコシステムがその成功を導いた。フェイスブックでは、若者の新しい発想を許容するアメリカの風土がその成功を導いた。アマゾンもそのクレイジーさが許容されて成功した。その点、日本はいまだにこれらの企業の発展を許容するような風土がなく、それゆえ日本からはこのような企業が生まれなかったのだ。
確かに、日本は第二次産業革命に過剰適応したのかもしれない。そのことにより、情報革命に追い付くための社会の変革が遅れてしまった。だが、日本は過去に明治維新や戦後における社会を１８０度変えた経験がある。日本もまだ間に合う。情報革命を許容するように社会の風土を変えることで、情報革命をどんどん成功させる国になりうるのである。そういう希望を与えてくれる本だ。
