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渡辺将人『台湾のデモクラシー』(中公新書)

 台湾の現代史、政治体制等について書かれた本。台湾では2000年に国民党から民進党政権交代し、アジアにおける民主主義の雄となっている。アメリカとのつながりが深く、台湾のエリートたちはみなアメリカの大学で学位をとっている。選挙の際には派手なパフォーマンスなどが用いられ、議論が白熱する。台湾人としてのアイデンティティが多様化しており、中華系アメリカ人の中では「タイワニーズ」が認識されつつある。

 現代の台湾について多角的に学べる本である。民主主義指数がアジア首位である国の実像に迫り、その政治体制や選挙、メディア、アイデンティティなどについて触れられている。中華民国の生き残りは今どのような在り方をしているか、とても勉強になる。日本でもオードリー・タンなどが話題になり、台湾政治への興味は高まっていると思う。とても参考になる本ではないだろうか。