石垣りんが近現代詩を一篇ずつ紹介しているエッセイ集である。素朴ながらも心を打つ詩が多く紹介されていて、読んでいて心から感情があふれ出しそうになる。石垣自身もそのような解説をよくしていて、詩というものは我々の堰き止められた感情をあふれ出させるものだと改めて感じた。
詩というと難解なイメージがあるが、石垣の紹介する詩は少しも難しくない。簡単な言葉で単純なことを書いている。だがそれでありながら人の心を打つ力を持つ詩が多く紹介されている。詩というものは障害を乗り越えるもの。それは我々の凝り固まった心を解きほぐすもの。そういうことを改めて感じさせられた。