仕事についての気づきに満ちたエッセイ。仕事とは職業ではなくて実際に行う行為のこと。だから、仕事とは医者ではなくて診察、店員ではなくて接客である。そして、仕事はその具体的な行為を通じて世界を少しだけ変えていく。仕事の意義はそこにある。仕事は自分から選ぶというより、仕事が自分を選んでくる。重要なのはどういう職業に就くかではなく、どのような行為をするか、どのような人間になるかということだ。
非常に脱力感に満ちているが、とても重要なことが書かれているエッセイである。仕事について私も気づかされることがいろいろあり、さすが鋭い洞察をなされる方だと思った。私も職業を選ぶ前にこんな本を読みたかったものだ。そうすればもっと見通しがクリアになっていたかもしれない。




