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忙しいポジション

 私は就職してからこの方、忙しいポジションを渡り歩いている。忙しいポジションで起こりやすいことをまとめてみよう。

1.ミスが起きやすい

 初発のミスというよりも、セルフチェックする時間が十分ないことによりミスがそのまま上司にわたってしまう。

2.コミュニケーションが不足する

 忙しいと同僚と話をする時間もなかなか取れない。同僚と協力するためには円滑な関係を築かなければならないのに、それがおろそかになる。

3.失念が多くなる

 忙しいととにかく通常業務のノルマが迫っているので、余裕をもって厄介な案件に取り掛かっている暇がない。そうすると、厄介な案件についてなかなか結論が出ないとどんどん先延ばしになってしまい、場合によってはその案件の処理を失念することも出てくる。

4.残業スパイラル

 忙しいから残業しているとだんだん仕事の効率が落ちてくる。仕事の効率が落ちると余計に残業するようになる。こうして、心身は疲弊する一方だが仕事は進まないという残業スパイラルに落ち込む。

5.上司との信頼関係が壊れる

 これらの不具合は仕事量が多いことが原因なのだが、上司によっては担当者の資質に問題があると考えることがままある。そうすると上司は忙しいポジションにある担当者を評価・信用しなくなり、上司と担当者の信頼関係が悪化する。

 これらの問題を解決するのは容易でない。ただでさえ今の日本の職場は人不足だ。だが、改善することは可能だと思われる。まず、忙しいポジションにいる人は絶えず業務量に圧迫されているのだから、それを手の空いている職員が手助けすることが考えられる。もしくは、単純業務はできるだけ非正規の職員に任せてしまうことも考えられる。とにかく仕事に余裕を生み出すことが大切である。だから、担当者自身の仕事の習熟も大事である。仕事に慣れてくれば処理能力も上がり、その分余裕が出てくる。

 あとは上司の理解である。上司は担当者が多忙であることをよく理解し、うまくサポートしなければならない。ミスや失念があったとしても、それを担当者本人の問題に帰するのではなく、職場の構造の問題だと正しく認識することが必要だ。職場の構造は上司が操作可能なので、仕事の割り振りなどで忙しい担当者の心身の余裕を取り戻せるよう配慮するのが理想である。

 そして、なるべく残業はしないこと。残業はかえって仕事の効率と質を下げるので、いつも元気に仕事ができるように体調管理をするのが望ましい。