社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

2008-01-01から1年間の記事一覧

試験モード

ええ、模試は悪かったですよ。一応5割はいったけど。苦笑 でも、模試を受けることで、自分は受験生なんだなあということを実感したし、何よりも敵が見えた。敵はこういう姿をしているのか、という認識。やっと試験モードになった気がする。 あと自分の弱点…

行為

行為というものは、それに関係する様々な人や社会に影響を及ぼす。そして、それぞれの人や社会にとってそれぞれの意味を持つ。例えば警察官が被疑者を現行犯逮捕するとき、現行犯逮捕という行為は、被疑者にとっては身体の自由の侵害であり、警察官にとって…

おすすめの本

・井田良「刑法総論の理論構造」 とにかく刺激的で目からうろこが落ちる。基本書というよりは論文集という感じ。・高橋宏志「重点講義民事訴訟法」 論文集。思考のダイナミズム。・石山卓磨「石山教授の新会社法論文演習」 論文試験のための基本を確実に固め…

令状主義

被疑者の逮捕には逮捕状が必要である(刑訴199条1項)。ここで裁判官のチェックが入る。また被疑者の勾留には勾留状が必要である(刑訴207条1項・62条)。ここでも裁判官のチェックが入る。 だが、行政庁の権力的事実行為、すなわち代執行・直接強…

「基本法」

固有の意味の憲法とは、権力のありかを定める法のことであり、立憲的意味の憲法とは君主の権力を制限するという内容を備えた憲法である。形式的意味の憲法とは、その最高規範としての形式的効力に着目したときの憲法概念であり、実質的意味の憲法とはその内…

私の実家は貧しい専業農家で、この学校に入るときも、生活費はすべて奨学金でまかなうという条件で許してもらった。だが、実際は奨学金だけではたりず、お金が尽きたときには、実家に電話をかけて、何らかの口実をつけて送金してもらう。この電話をかけると…

事実の選別

法律効果の発生の条件として、事実が要件に該当することが要求される。法律や裁判例・学説は、法律効果が発生するために満たすべき「規範」を定立し、法律家はその規範に事実があてはまるかどうかを判断する。法律の答案ではこの「規範とあてはめ」をしっか…

消費貸借契約にもとづく金銭債権を被担保債権として担保を設定するというのはよくあるが、売買代金債権や請負代金債権を被担保債権とするというのは聞かない。売買契約は双務契約だから同時履行(民533)であり、原則としてその場で代金を支払うから担保…

失敗

検索に引っかかるような書き方はやめよう。つい気が緩んでしまった。

合格発表

新司法試験だが、我々の学校はなかなか健闘した模様。現役既修は半分くらい受かってるのね。俺も既修の中で真ん中以上になれるように頑張ろう。自分が一回で首尾よく受かるとは思っていないが、やっぱりできれば一回で受かりたいね。希望が出てきた。

公定力と形成判決

行政行為の違法性は取消訴訟で争うことになっている。行政行為の効力を否定できるのは、職権取消、取消訴訟、不服申立だけであり、その手続的制限から反射的に、公定力なる実体的効力が論じられたりする。 雇用契約の解除(解雇)は、その効力を特定の訴訟形…

全体的に軽い

なんだか心も体も軽い。そしてとろとろしている。溶けやすい。要するにあまりやる気が出ない。まあでもせっかくの休みなんだし、こういう贅沢な時間を過ごしてもいいのかも。

心理的関与

民法総則の詐欺・強迫が、刑法の詐欺罪・恐喝罪とある程度対応するのは分かる。しかもこれらは両方とも被害者を保護する規定である。ただ、民法の意思表示の瑕疵の規定は、自由な意思決定の利益を保護するのに対し、刑法の詐欺・恐喝は、財産上の利益を保護…

日常家事連帯責任

組合的家族観によれば、日常家事とは夫婦共同体の共同事業であり、そこから生じた債務は夫婦が共同出資した組合財産からまず弁済される、として761条を説明する。この観点からは、条文には明示されていない夫婦の相互代理権も、代表者が組合財産を権限の範囲…

体力がない

集中講義の最終日は、疲れていて、教官の話を聞いてもあまり頭に定着しないので、これは受けても意味がないと思って早々と退出した。やばいなあ、これじゃ司法試験最後まで受験できないんじゃないだろうか。体力をつけないと。

ピーク

集中講義の疲れがピークに達している。今日は口述試験もあったので、その疲れと興奮もあり、明日の予習がほとんどできなかった。さいわい明日の分の予習はそんなに多くないので助かった。集中講義、私はふたつだからいいが、みっつとってる人もいて、本当に…

口述試験

論文の口述試験があった。そこで言われたこと。(1)知識が足りてない (2)広範な意味を持つ概念については、その意味を限定して用いろ (3)珍奇な説を思いつきで唱えるのはよしたほうがいい(1)については、これから勉強して少しずつ知識を増やして…

応報

応報という概念がいまいちよく分からなかった。一般予防や特別予防はよく分かる。なんらかの社会的利益を実現するために特定の制度を作るというのはよくあることで、刑罰制度もそのひとつと考えることができるからだ。 応報刑論というのは、カントに由来する…

故意の内容

故意があるとは、構成要件に該当する客観的事実を認識し(認識的要素)、その内容を実現する意思(意思的要素)をもつことである。だが、構成要件該当事実とはどの範囲まで含むのだろうか。 例えば殺人罪(199)の構成要件は「人を殺」すことだが、人を殺…

行為

黒田亘「行為と規範」(勁草書房)がおもしろい。まずは行為の定義から始まる。行為概念はphysis(自然)を写し取るものではなく、nomos(人間間の約束事)で定まっている。「行為」という言葉は自然に存在する事物を記述するのではなく、その意味は人間が「…

勤労の義務

憲法の義務規定は、具体的な法的義務を定めたものではなく、倫理的指針、あるいは立法による義務の具体化の予告程度の意味しかないとされる。27条1項の勤労の義務もまた、法的義務ではない。 ところで、野中他「憲法I」では、生活扶助などを受けるために勤労…

規範と責任

法規範は何らかの利益を実現するために規定されている。だから、法規範に違反するということは、その規範が保護する利益を害するということだ。規範の名宛人は、私人だったり国家だったり裁判所だったり検察官だったり被告人だったりする。 例えば刑法199条…

少年院

少年院のビデオを見た。少年の抱える問題を少しでも改善し、社会復帰を目指すため、職員が熱心に取り組んでいる。驚いたのは、職員と少年との間の強い信頼関係だ。実際はどうだか知らないが、あれだけ信頼できて心の奥までさらけ出せるような大人が近くにい…

形成判決

日常生活では、要件事実の存否について特に争いなく物事が運んでいく。売買契約の成立があったら、その成立を適式に証明することなく、代金や引渡しを請求する。だが、裁判においては、要件事実の存在を証明し、請求権の存在を確認し、給付判決を下す。厳格…

一区切り

一応論文を書き終えて、教官に送った。まずいところをたくさん指摘されそうで怖い。 今年はしばしば「余震」を感じる。余震といっても実際に地面が揺れているのではなく、夏バテでふらつくことであたかも地面が揺れているかのように感じるのである。歳だなあ…

進行状況

今日はこれまでのところに加筆修正をし、3.2.まで終わらせた。あと少しだ。文量的には既に10000字(25枚)だから充分なのだが、まだ書くべきことはある。どこまで細かく書いたらよいのかよく分からないし、どこに力点を置いて論じたらよいのかも…

進行状況

今日は3.1.の途中まで書いた。全体の約6割書いたことになる。 それにしても暑いが、クーラーなしの部屋で普通に書いている。去年は暑さに耐えかねず自習室に結構行ったものだが、今年はそこまでの不便は感じない。夏休みになってから一度も自習室を使っ…

目次

論文の目次。ーーーーー 1.序論2.心理的因果性 2.1.条件関係公式と法則 2.2.心理的因果性の特殊性 2.3.心理的因果性の判断方法3.詐欺罪における動機の競合 3.1.実行行為者の関与の態様 3.2.動機の競合の類型 3.3.動機の競合の…

書き始める

資料を一通り読んだのでこれから書き始める。構成を頭の中で考えながら、ついつい試験の答案のような論述になってしまい、あせる。試験の答案と通常の論文は区別しなければならない。通常の論文は、点を稼ぐためではなく、真実を述べるために書くのだから。

深める

論文を書くために、因果関係についての論文をこれまでに4本読み、さらにいまは林陽一「刑法における因果関係理論」(成文堂)と林幹人の心理的因果性についての論文を読んでいる。因果関係についての知識は不必要なほど増えているわけだが、これがまた面白…