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超勤縮減

 今や人口に膾炙したワークライフバランスという言葉。これは、仕事だけの人生を送るのではなく、仕事以外の生活も充実させる趣旨の施策である。結局、仕事の効率を上げるためには職員が健康で活力にあふれているのが一番である。残業は職員の健康や活力を奪うことによって仕事の効率を下げるのである。ワークライフバランスが実現することで、仕事は効率化し早く終わり残業が減り、そのことで一層ワークライフバランスが実現する。この好循環を回すために考えられているのが超勤縮減だ。

 ワークライフバランスにより、職員は趣味を充実させ、友人や恋人・家族と過ごす時間を増やし、より多彩な人生経験を積むことができる。結婚の機会は増え少子化対策として有効だし、教養をはぐくむ時間など自己研鑽の時間もとれる。職員の人生をより豊かにして、職員の創造性の向上やスキルアップを図るのがワークライフバランスだ。

 超勤を縮減するためには、まず実態把握が不可欠である。現代日本にはまだサービス残業が多く存在する。超勤縮減を進めようとした場合、実態を把握しないままだと、表側の超勤の時間を減らし裏側のサービス残業を増やすという数字の操作だけで終わってしまう可能性が高いのである。実際の超勤時間を減らさなければ超勤縮減の趣旨であるワークライフバランスが実現されなくて、何のための改革をやっているかわからなくなる。まずはサービス残業も含めて実際の超勤時間を把握する必要がある。

 そうしてようやく次の段階に入る。職員間に業務負担の偏りはないかどうか。特定の職員に過重な負担がかかっていないか。無駄な仕事をやっていないか。非効率的な仕事をやっていないか。必要以上に高い質の仕事を要求していないか。

 仕事の職員間における平準化により、一人一人の超勤時間を減らすことができる。また、慣習的にやっていたけれど不要な仕事というものも割と存在するので、そういうものは切り捨てる勇気が必要だ。また、仕事のやり方が非効率的な場合もあるし、そもそも職員がやるより専門家に任せた方が早いし安く済む場合もある。そういう場合は業務の見直しや外注を検討すべきだ。また、今のご時世世の中は少しずつルーズになっているので、サービスとしての質をある程度落としても相手方の了解が得られる場面は多いはずだ。

 そのように改革のメスを入れることで超勤縮減は必ず実現する。超勤縮減をすることにより職員は心身とも健康で活力にあふれ、よりよい仕事を達成してくれるだろう。