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社会科学読書ブログ

社会科学関係の書籍を紹介

雑感

ひとつの論点を考えるときには、まず、そこで登場する主体は何か、そこで問題となる対象は何か、という物理的(?)基礎をしっかりおさえる必要がある。訴権的利益をめぐる論点だったら、当事者が裁判所に対して請求を申し立てるのだから、登場する主体とし…

消費貸借契約にもとづく金銭債権を被担保債権として担保を設定するというのはよくあるが、売買代金債権や請負代金債権を被担保債権とするというのは聞かない。売買契約は双務契約だから同時履行(民533)であり、原則としてその場で代金を支払うから担保…

少年院

少年院のビデオを見た。少年の抱える問題を少しでも改善し、社会復帰を目指すため、職員が熱心に取り組んでいる。驚いたのは、職員と少年との間の強い信頼関係だ。実際はどうだか知らないが、あれだけ信頼できて心の奥までさらけ出せるような大人が近くにい…

請負契約については、仕事の目的物に瑕疵があれば瑕疵修補を請求できる(民634条1項)。だが、売買にはこのような規定はない。これは、請負の場合は、請負人は仕事をする能力があるのだから瑕疵を修補することができることが多いという事実に基づいてい…

人の権利能力って無制限なんだろうか。法人はultra viles理論により目的の範囲内に権利能力が限定されるとするのが一般的なようだ(民34)。同様に、人の権利能力も一定の制限が付されるのではないか。例えば、殺し屋が殺人債務を負うことは可能か。殺人債…

刑事訴訟における抗弁ってなんだろうって考えてて、違法性阻却事由とか責任阻却事由なんじゃないかと思い至った。つまり、訴因と両立し、かつ訴因の刑罰権発動という効果を打ち消すんじゃないだろかと。だけど、Wikipediaで調べてみたら、違法性阻却事由も責…

例えば刑法で責任論とか因果関係論とか読んでて思うのだが、刑法学の土俵でいくら論じていても埒が明かない問題というものがあると思う。そういう場合、議論の次元を基礎に引き下げて、哲学的な議論を援用する実益があると思う。だが、注意しなければいけな…

契約と合意解除って結構似てる気がする。どちらも、双方の意思によって権利義務関係を変動させているので。たとえば売買契約だったら、当事者の合意によって、売主には代金債権と目的物引渡し債務が設定され、買主には代金債務と目的物引渡請求権が設定され…

通説である控除説によると、行政権は、国家の作用から立法権と司法権を控除した残り、ということになってるけど、実は逆じゃないのかなあ。つまり、国家の作用というものは元来すべて行政権であって、行政権のうち特殊な性格を持つものを立法権、司法権とし…

正義感

正義感とは、不正義に対して憤る傾向、あるいは不正義をも含む複数の行動選択肢の中から常に正義の肢を選ぶ傾向、みたいなものだと思う。 私は大学院に入ってから、正義感が強くなってしまった。例えば刑事事件の事実関係なんかを読んで、その悪辣さに義憤を…