2023-01-01から1年間の記事一覧
朝は大体2時か3時くらいに目が覚める。それから、出勤のために家を出る5時半まで、本を読んだり、文章を書いたり、スマホで情報をチェックしたり、スマホゲームをしたり、音楽を聴いたり、朝食を食べたりして過ごす。ゴミの日にはゴミ出しをする。いつも…
「イクメン」を疑え! (集英社新書) 作者:関口洋平 集英社 Amazon イクメンを称揚することの問題点について、アメリカ映画をもとに紐解いていく本。男性の育児参加が進むのは喜ばしいことだが、イクメンの表象はしばしば「男はつらいよ」「男性が被害者」と…
東大生のジレンマ~エリートと最高学府の変容~ (光文社新書) 作者:中村 正史 光文社 Amazon 東大生というと、かつては官僚志望者が多く、実際に官僚になる者も多かった。官僚でなくとも、大企業などの安定した仕事に就く者が圧倒的に多かった。だが今や時代…
管野すが―平民社の婦人革命家像 (岩波新書 青版 740) 作者:絲屋 寿雄 岩波書店 Amazon 大逆事件にかかわり死刑となった婦人革命家の評伝。言論の自由も結社の自由もなく、普通選挙もなく、専制的な天皇制の日本で、いまだ労働組合すら組織されていない状況で…
ワークライフ・インテグレーション:未来を拓く働き方 ミネルヴァ書房 Amazon ワークライフインテグレーションに関する論文集。資本主義の発達により、労働者の長時間労働が常態化するにあたり、仕事と家庭との両立が社会問題となった。家事育児に父親が参加…
セカンドハンドの時代――「赤い国」を生きた人びと 作者:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon ソ連崩壊の衝撃を市井の人々から語ってもらっているノンフィクション。資本主義の導入により、生活が豊かになると同時に自分でお金を稼がなければ…
「勤労青年」の教養文化史 (岩波新書) 作者:福間 良明 岩波書店 Amazon 戦後の昭和20年代・30年代、高度経済成長期に、中卒や高卒で就職しなければいけない若者たちがたくさんいた。そういった若者たちは、働きながら、定時制高校で学んだり、青年会など…
労働判例から経営を学ぶ15講 作者:芦原 一郎 経営書院 Amazon 労働判例をもとに労働法の基本を学んだうえ、経営の問題にも言及している意欲的な本。解雇、人事権濫用、リストラ、パワハラ、メンタルなど、労働判例で出てくる問題点について解説している。基…
よみがえる田園都市国家 ──大平正芳、E・ハワード、柳田国男の構想 (ちくま新書) 作者:佐藤光 筑摩書房 Amazon 田園都市国家構想についての概説。岸田現内閣にも継承されている「デジタル田園都市国家構想」において、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮ら…
とにかく時間がなかった。期限が迫った仕事が大量にあり、定時の勤務では間に合わず、普段から始発で6時には出勤していたが、それでも間に合いそうになかった。私は1歳児を育てているため、夕方定時になったら帰って子守をしなければならない。そうすると…
「私、子育て向いてないかも」がラクになる本 作者:Joe 日本実業出版社 Amazon 子育てのポイントをわかりやすく解説。子どもの心は植えつけず耕すこと。植えつけ子育てとは、知識やルールなど、親の頭の中にあるものを子どもに教え込むこと。耕し子育てとは…
できる30代は、「これ」しかやらない 会社に使われて終わらないシン・働き方の教科書 作者:松本 利明 PHP研究所 Amazon ビジネス書としては標準的な感じであり、それほど新しいことが書いてあるわけでもないが、それでもところどころ参考になる点があり、読…
私はもう就職してから10年目になる。私は事務職に就いているが、では事務職とはいったいどういう仕事であろうか。一言で言うなら、事務職は黒子である。縁の下の力持ちである。表舞台で活躍する人を下から支える仕事である。決定する人、結論を下す人はほ…
学校の悲しみ 作者:ダニエル・ペナック みすず書房 Amazon フランスの作家ダニエル・ペナックが、自らの少年時代の劣等生としての記憶をつづったエッセイである。とにかく暗記ができない、数学や文法ができない。著者は劣等生としての勉強ができない苦悩を生…
アクセス権とは何か―マス・メディアと言論の自由 (1978年) (岩波新書) 作者:堀部 政男 岩波書店 Amazon アクセス権とは、1967年にアメリカのバロンが提唱した権利であり、マスメディアが言論空間を支配する現代社会に、情報の受け手である市民もマスメデ…
深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと 作者:スズキナオ スタンド・ブックス Amazon ニッチな飲食店のレポートや、生活の中の些細な営みについてのエッセイ。基本的に有用性を志向しておらず、基本的に無駄なことが多い。役に立つことはあまりしてい…
「生きよ」という声 鮎川信夫のモダニズム 作者:岡本 勝人 左右社 Amazon 戦後詩壇で重要な位置にいた詩人・評論家の鮎川信夫に関する全般的な入門書。鮎川の複雑な詩は、矛盾を総合し重層的に決定するという反語的な要素を隠し持っている。そして、個人の幻…
日本は「過労死」という国際的な言葉を生み出してしまった仕事ファーストの時代を通過した。仕事第一主義、家庭や自らの健康は二の次、そのことによって、家事育児を負担する女性に過大な負担を課し、子どもの健全な発育に父親が関与せず、とりあえず仕事さ…
私は様々な領域に関心を持っていて、日々読書を重ねたりウェブで情報を集めたりしている。また実際に自らが仕事や生活をしていくうえで経験することも多い。それらの行為は総じて、この世界に「知の血管」を張り巡らす行為である。 私は時間について多くを学…
アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界 (中公新書) 作者:会田雄次 中央公論新社 Amazon 第二次世界大戦敗戦後イギリス軍の捕虜となった記録を詳細に描いている。捕虜としての極限的な生活や、現地人とのやり取り、イギリス人とのやり取りなど詳細に…
生協の白石さん 作者:白石昌則,東京農工大学の学生の皆さん 講談社 Amazon 東京農工大学の学生生協で、学生からの要望カードに生協職員が当意即妙に答えた記録。学生からのナンセンスな質問やふざけた質問に対して、ユーモアを交えながら寛容に答えている。…
公務員には保守的な人が多い。これは私が地方公務員として勤務して得た実感である。旧例を重んじる。現状肯定的である。労働者としての権利を主張するよりも組織に従順であり、組織の利益を重んじる。 これには日本の公務員採用の仕方においてメリトクラシー…
愛するということ 作者:エーリッヒ・フロム 紀伊國屋書店 Amazon 愛とは衝動や性欲ではなく、成熟した人間による技術が必要だとするもの。人を愛するためには、ナルシシズムや近親相関的な愛着から脱却し、謙虚さと客観性と理性を育てなければならない。理に…
乳幼児の世界――こころの発達 (岩波新書) 作者:野村 庄吾 岩波書店 Amazon 乳幼児の発達について心理学の立場からまとめてある本。乳児の睡眠の特徴や、人間特有の笑い、手は口ほどにものをいうこと、共感と共鳴、贈与の関係、認知的機能の発達、考える力、関…
家庭でも仕事でも、様々な場面で相手に声をかけることが大事だったりする。それは、あなたに配慮しています、あなたに関心があります、あなたを気にかけています、そういうことを示すシグナルだからだ。 例えば育児中の妻が元気がないとする。どうやら幼児食…
戦後詩壇私史 作者:小田 久郎 新潮社 Amazon 戦後間もないころの詩人と詩の出版社の状況を活写する活気に満ちた本。詩というとマーケットが狭く、それほど広く人口に膾炙していないのが実態である。そうでありながら、様々な詩人が様々な媒体で活躍している…
入門 開発経済学 グローバルな貧困削減と途上国が起こすイノベーション (中公新書) 作者:山形辰史 中央公論新社 Amazon 開発経済学の入門書。世界中のだれもが貧困や戦争、伝統的文化などで「理不尽な悲惨さ」に直面しうる。特に経済的に発展していない国ほ…
現代のプライバシー (1980年) (岩波新書) 作者:堀部 政男 岩波書店 Amazon プライバシーの権利について書いてある本。1980年当時の本だが、現在に通じるような議論がなされている。プライバシーの権利については、消極的に「一人にしておいてもらいたい…
法の近代 権力と暴力をわかつもの (岩波新書) 作者:嘉戸 一将 岩波書店 Amazon 法とは何か。何が権力と暴力を分けるのか。そのテーマについて、様々な知見をもとにダイナミックに思考している本。結論としては、権力と暴力、政府と盗賊を区別するために、主…
「山奥ニート」やってます。 作者:石井 あらた 光文社 Amazon 月々18,000円の生活費で、山奥でニートたちが15人ほど暮らしている。そのNPOをやっている著者の実体験。高齢者が少しだけ暮らす限界集落で、廃校に暮らすニートたち。家賃はゼロで、食費…